(1) はじめに
「Q-10 DT-Biwire」は、
いわば「Q-10エクストPremium」のシェイプアップ版です。
特殊なインシュレーターや高価な材料を限界まで削ぎ落しつつ、
なおかつこの線材を倍量投入することによる圧倒的な情報量と
音質向上を存分にお楽しみいただこうという、
欲張りな規格になっているのです。
(2) Q-10 signature
DH Labsの誇る最高の線材「Q-10 signature」。
選別された40粒子(/ft)の「OFHCC連続結晶銅」は
米国内で調達される最上ランクの純銅です。
導体表面はミルスペックレベルの専有技術で研磨され、
その上に、これまた最上ランクの高純度銀(「High-Fine Silver」)を
厚くコーティング。
カスタムメイドされた低誘電率PTFEで被覆された後、
ユニークな4導体「Multiple guage array」構造でアセンブリされます。
これは、12AGx2芯、14AGx2芯を投入して、
10AGx2芯相当の太さとしつつも、
表皮効果によるインダクタンスを回避し、
なおかつ異なる太さの2芯ずつに分割してスパイラルすることによって、
電磁誘導ノイズの発生および伝播を強力に抑制するのです。
設計者ダレン・ホヴセピアンの長年の研鑽の賜物であることは
間違いないところですが、
それと同時に、このような先進設計を閃かせる彼の天賦の才に
敬意を払わずにいられません。
(3) Q-10 DT-Biwireの構造
同社の2芯ケーブルをバイワイヤ化する際に採用された
「Dual-Track構造」がここで採用されます。
強靭な金属製結束ツールの投入された「Dual-Track構造」は、
二組のケーブルを分離して結束することにより相互干渉を回避し、
同時にたいへん強力なレゾナンス最適化を実現します。
それは、2本のQ-10 signature(合計4AG/Ch相当)という
パワフルな導体をも充分に制御することが確認されています。
(4) 音質
構造はさておき、このケーブルの優位性は
実際に音を聴いたとき明らかになります。
ケーブルの成り立ちから見た圧倒的な情報量の豊富さは、
まず容易に確認できます。
確かにレンジが広く、とりわけ低域の充実が素晴らしいのですが、
あらゆる帯域に亘ってエネルギーバランスが整い、
不自然な突出を感じさせません。
音場にも、背景にもノイズ感がなく、きわめて清澄な透明感に
支配されています。
直接音はクリアで、癖がなく、力感に溢れます。
わけても人の声、ソロ楽器に温度感が伴い、リアルこの上ないのです。
今日、市場には多種多用の特色を謡う製品が溢れていますが、
ケーブルの音質は、厳しい耳でチェックしたいものです。
「低音が出る」と称して、
肥大した低域が他の帯域まで汚しているもの、、、
「柔らか」と称して、単に高音域がスポイルされているだけのもの、、、
「音楽性」と称して、殆どハイフィデリティ―の要件にさえ届いていないもの、、、
さらに、
「リアル」というも、、「生々しい」というも、、、
それらは、この『Q10 DT-Biwire』のように、
本当に優れた音響特性の上にこそ、実現しているべきなのです。
(5) おわりに
「Q-10エクストPremium」から始まったDual-Track構造は、
一巡してオリジナルQ-10 signatureのもとに帰ってきました。
Q-10二組を投入するエクスターナルバイワイヤ、、、
一人でも多くの方にその素晴らしさを享受していただければと
願う次第です。
( Q-10 signature:「オーディオアクセサリー銘機賞2013、同2016 、同2019、同2020」受賞、「Sound Stage」Recommend、「Home Technology Magazine」Recommend、「6 Moons Audio」Recommend、「AudioXpress」Recommend)
【付記】Dual-Track Construction(デュアル・トラック構造)について
2芯ケーブルを2組使用してバイワイヤケーブルとする際、2組のケーブルを纏めず、分離させて並行に配置する構造が採られています。これはDHラボの上位モデル「Q-10エクストPremium」で採用され、大きな音質向上をもたらしたアセンブリ方法です。ケーブルの微振動や共鳴を排除し、マイクロフォン効果、解像度低下および混濁などといった実害を強力に抑制します。
■11.0mm Diameter Silver-coated Crystal-Copper conductors、2 x Four conductor multiple gauge array (Equates to a robust 4Gauge/Ch cable)、Dual-Track Construction、High quality PTFE insulation、DH Labs Z-Banana or SP-10 Spade
※画像は片チャンネル分です。(表示価格は左右両チャンネルの価格です)
※標準はアンプ側2端子、SP側4端子のバイワイヤ仕様です。
アンプ側2端子、SP側2端子のシングル仕様も可能です。
(通常のQ-10 signatureシングルの伝導性が2倍に増強されます。価格はバイワイヤ仕様と同じです)
※アンプ側、SP側にについて、ご希望のプラグを、備考欄にお書き添えください。
標準は純正バナナ(Gold Z-Banana)または純正Yラグ(Gold SP-10)ですが、
差額の加算によりシルバーシリーズなど上位仕様とすることも可能です。
(このページの画像はGold Lock Bananaによる端末処理例です)
※ケーブルは最短1.5mペアを起点に0.5m単位で長くすることが可能です。
(納期、価格等お気軽にお問合せください)