DHラボ「プレリュード」は、
きわめて明確な開発ポリシーによって産み出された製品です。
この製品の「導体」に着目すれば、言葉の説明は不要なほど、
それが明白になることでしょう。
近年開発され世界的に多用されているOHNO銅(70grains/ft)を
上回る純度の「OFHCC連続結晶長粒銅」(40grains/ft)、
それを惜しまず36芯投入し、導体の太さは11AWGに達します。
DHラボ社はあたかも「プレリュード」という製品によって、
この最高純度の導体の実力と魅力を実証しようとしているかのようです。
結果的にその試みは見事に成功したといえます。
純銅のみで製造されたプレリュードですが、
驚くことにシルバーコート導体はおろか、純銀導体と比肩できるほどの
優れた音響特性を獲得しているのです。
ケーブル設計というものは決して単純ではなく、容易でもありません。
豊かな情報量を求めて太い導体を投入すれば、
今度は表皮効果によるインダクタンスが立ちはだかり、
ノイズ感や混濁に悩まされます。
現実には、そうした問題解決のされない製品も市場に流通しており、
太さを手掛かりに入手したものの、思った成果が得られなかったという
経験をお持ちの方もおられるかも知れません。
プレリュードはそうした設計上の難問を克服して産み出されています。
長くなりますので、ここでは一要素だけに触れてみたいと思います。
複数の導体を横に並べただけでは、ノイズ遮蔽効果は得られません。
そこで、多くのケーブルはオーソドックスな方法にせよ、
ユニークな方法にせよ、何らかのジオメトリーを盛り込むのです。
一般的な「螺旋構造」がその代表例に挙げられるでしょう。
DHラボは、Q-10 signatureの「Multiple gauge array」を始めとして
きわめてユニークな発案を投入してノイズ遮蔽に絶大な成果を上げます。
このプレリュードでも、同軸内で逆方向のスパイラルを二層に合わせた、
「Alternating Concentric Layering」という新機軸を投入しました。
これにより、11AGという導体の太さによって導電性向上や情報量増大を
実現する一方で、
導体各方向内の磁場を打ち消し、表皮効果を低減するように調整して、
ノイズ遮蔽に絶大な成果を上げています。
こうしてオーディオスペクトル全体に、完全に均一な周波数バランスを
獲得しているのです。
しかもナチュラルさや、深い滋味といった純銅の持ち味を失うことなく、
それを実現させていることが、この製品の持つ大きな存在意義です。
ヴォーカルやソロ楽器のヴィブラートに乗る繊細なニュアンスの
なんと味わい深いことでしょう。
独奏チェロの彫の深い弾力性も然り、
アルトサックスの深々とした嘆息も然り、、、
実例を挙げればきりがありません。
DHラボのプレリュードは、
オーディオファイルの方がその音響特性の優位性を理由に導入されて
間違いのない製品です。
しかしながら、それにとどまらず、
楽器の美しいソノリティーや、音楽の感動という、
オーディオの本来持っていた原点に聴き手を立ち返らせてくれる、
貴重な価値を持つケーブルなのです。
(「オーディオアクセサリー銘機賞2016 金賞(部門最高賞)」受賞)
■11AWG 36 strands Conductors(Highest Grade OFHCC Continuous Crystal Long Grain Copper)、New ‘Alternating Concentric Layering’ construction、Customized Low Density PE Dielectric、11.0mm Diameter
※この製品(切売)にはプラグは付属しておりません。
※表示価格は1mあたりの価格です。お申込みの際は、個数欄に「4」等のように総ケーブル長を、必要があれば備考欄に「2m+2m」等と内訳をご記入ください。