はじめに 「リベレーションピュア・RCA/XLR」は、 同シリーズのスピーカーケーブル同様、 一般に多用される「銅」ではなく、 「純銀」をフィーチャーしたオーディオケーブルです。 理由は銀が銅を上回る伝導率を持つ金属であり、 音楽信号の強力かつ正確な伝送のために理想的な素材であるからです。 けれど、周りを見回しても、 純銀製のオーディオケーブルというものはそう多くありません。 たいへん高価な素材であるため開発および製作に費用がかかり、 なおかつ素材のポテンシャルを十全に活かした製品を造ろうとすれば、 固有の技術的難題が立ちはだかるのです。 このシリーズはそれらの困難を克服して産み出されており、 純銀という素材の持つ驚嘆すべき信号伝送能力および音楽再現力を 現実のものとして見せてくれた、きわめて貴重な製品群といえます。 素材および構造 (1)導体 厳選された最高ランクの北米産純銀(HIGH-FINE SILVER)単線が贅沢に投入されています。 RCA版では18AGの極太純銀単線がChあたり 4芯投入され、 (同社「リベレーションRCA」の2倍強の純銀量) 同様にXLR版ではChあたり6芯投入されています。 (同社「リベレーションXLR」の3倍強の純銀量) いやがうえにも、最強の伝導性と圧倒的な情報量が 約束されているのです。 (2)誘電体 「Air Matrix」というDHラボ純正誘電体 (物質中最高値となる誘電率:1.4)により、 信号伝送中の誘電損失や変質を防ぎます。 この誘電体は同社の多くの高級機種に採用されているものですが、 とりわけこのリベレーションピュアのような純銀単線において 大きなメリットを発揮します。 純銀は、通常アニール処理で特性が整えられても、 その後の被覆熱処理によって再び劣化してしまいます。 Air Matrix誘電体は常温処理が可能なため、劣化を回避でき、 純銀本来の高精度伝送を力強くサポートするのです。 ( Appendanceご参照 ) (3)ノイズ対策 DHラボのリベレーションシリーズでは、 音質変化を来す外部からのシールドは一切加えず、 ジオメトリー自体によって強力な電磁ノイズ対策を実施します。 これはHIGH-FINE SILVERという素材の持つ純良な特性を最大限に生かすためです。 とりわけこの製品においては、 ユニークな特殊6芯ブレイド構造および螺旋構造の併用によって、 刮目すべきローノイズレベルの実現に成功しています。 (4)コネクター 音楽信号は、例え優れた伝送能力を持つ導体の中を通って来ても、 その後一般的な真鍮製コネクターを経るのであれば、 最終的な導電性は大幅に低下してしまいます。 これはぜひとも避けなければならないことです。 DHラボでは、コネクターに伝導率93%を誇る「High Copper Alloy」 (99.3%ピュアOFC製)を自社開発し、 コネクター部分の導電性低下を最小限に防いでいます。 (「プラグ、その他」カテゴリの「Ultimateプラグ」ご参照) このシリーズでは、RCAにクライオ処理のブラックシェル版、 XLRにゴールドプロテクター強化版が採用されています。 試 聴 一聴してゲインが上がったように感じ、 同時に重低音の深さと量感に驚かされます。 低音が「倍増した」といっても過言でないほどの印象です。 ベースのピチカート、コントラバスのアルコ等をはじめとする 低音楽器の響き方が、劇的に変わりました。 ノイズレベルの低さというものを耳で実感することができます。 今まであった薄い皮膜が剥がれ、 霧が晴れたように透明な空間が現れます。背景および音同士の間に清澄な空間があり、 そのため今まで聴こえることのなかった個々の音の余韻まで デリケートに描出されます。 ヴィブラフォンやチェレスタ、さらにギターやヴァイオリンのフラジオレット等、 虚空に尾を引いて伸びていく様がたいへん印象的です。 それらにも増して顕著なのは、ミッドレンジの充実感です。 太く、力感があり、生々しい温度感があります。 これはライブの臨場感以外に思い起こすものがありません。 特にヴォーカル中心に聴かれるリスナーの方を喜ばせるに充分でしょう。 純銀ケーブルの音質については、 高域のみが強調された硬質なものという誤解があるようです。 実際には、高域はもちろん、低音域、そして中音域、 すべての帯域に亘って優れた特性を持つのが純銀なのです。 この「リベレーションピュア・RCA/XLR」においては、 とりわけ重低音の深さと量感、 そしてミッドレンジの充実感に特別な優位性が感じられます。 ポジションを一歩下がって俯瞰するなら、 このケーブルの描き出す雄大な音場感に感嘆します。 オーケストラ再生にとってそれは生命線です。 ぜひマーラーの4管編成フルオーケストラ作品や、 ラヴェル「ダフニスとクロエ」など大編成オーケストラのソース、 あるいはビッグバンドジャズなどでご確認いただきたいところです。 目を閉じれば、その雄大な音響世界に飲み込まれ、 もはや自室でオーディオ再生していることを忘れてしまいます。 おわりに いろいろな音響特性を個別にチェックしていて思うことがありました。 「リベレーションピュア・RCA/XLR」の試聴においては、 人の耳が、そうした音響上の一要素ではなく、 音楽そのものに持って行かれてしまうのです。 音楽作品自体の素晴らしさ、、演奏家の卓越した技術力、、、 アーティストの非凡な表現力と、それを通して垣間見える人間味、、、 実はこのような現象は、逆説めいていますが、 本当に優れた音響上の特性を獲得している製品でなければ発現しません。 「リベレーションピュア・RCA/XLR」は、リスナーに基本的な音響特性のことを 心配させるようなケーブルではありません。 それらは「リベレーションピュア・RCA/XLR」にすべて委ねきり、 肩の力を抜いて、ただこの素晴らしい音楽を存分に楽しんでいただきたいと思うのです。 (オーディオアクセサリー銘機賞2023受賞、「オーディオ研究」Recommend) ■北米産18AWG高純度銀単線(6 or 4 x Solid Core HIGH-FINE SILVER Conductors)、純正Air Matrix誘電体(誘電率:1.4)、特殊6芯ブレイド構造・螺旋構造併用、EPDM樹脂制震処理、ドイツ製特殊静音材(静音dB:欧州Class A評価)、DH Labs:High Copper Alloy Ultimate Connectors(Cryo treated Black shell version)/ Ultimate XLR Connectors(Special Gold protector version)、ETI:5.0%銀半田による端末処理■ 1.0m pair ※「リベレーションピュア」シリーズはすべて受注生産品目となりますので、納期に1〜2週間ほどみてください。 ※長さの特注にも対応いたします。メールでお問い合わせください ※2枚目の画像はブルー・バージョンです。 (こちらもお選びいただけます)